ADHDとはどういう症状なのか?
最近よく聞くADHDという言葉。
これは、注意欠陥・多動性障害という意味である「Attention-deficit hyperactivity disorder」の頭文字をとったものです。
多動性による過活動や衝動的な行動・重なる不注意というおもに3つの症状が特徴の行動障害で、子どものころから大人になっても悩んでいる人が多いといわれています。
では、ADHDの具体的な症状をみていきましょう。
・座って落ち着くことができない(多動性)
静かに座り続けることが難しく、貧乏ゆすりなど脚や手など身体の一部を常に動かしています。
身体だけでなくいすや文房具など物を動かすことも多く、立ち上がったり歩きまわるという事例もあります。
・公共の場でのマナーがわからない(多動性)
静かにするべき公共の場所(図書館や映画館など)で騒いでしまう・遊園地などの順番待ちの列に割り込みをするといったマナーを無視した行動をすることがあります。
・人の話をさえぎる(衝動性)
まだ質問をされている途中なのに突然答えてしまいます。
思ったことはすぐに口に出してしまい、相手の状況を考えません。
・欲しいものが我慢できない(衝動性)
なにかが欲しいと思ったら、買ってくれるまで大声を出す・泣きわめくなどの激しい自己主張をします。
子どものうちは駄々をこねるだけですが、大人になると後先を考えずに衝動買いをしてしまいます。
・ケアレスミスが非常に多い(不注意)
テストなどの名前を書き忘れるといったうっかりミスがとても多いです。
・忘れっぽい(不注意)
忘れ物が多く、自分のものをなくすこともよくあります。
また、約束を守れない・提出物の期限を守れないという症状もよくみられます。
・計画性を持って行動できない(不注意)
勉強の予定や作業の計画をきちんと立てて実行することが苦手です。
時間の管理もしにくく、興味のあることに熱中しているとなかなか切り替えられません。
・片付けができない(不注意)
計画性がなく集中できない性質のため、片付けが苦手な場合が多いようです。
ADHDは生まれつきの脳の特性といえるもので、医学的な治療で完全にその特性をなくすことは不可能だといわれています。
ただ、きちんとした治療を受けることは多動性・衝動性・不注意という3つの症状から生まれる人との関わりや生活の困難な部分を改善することにつながります